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赤のスパークリングワイン、その昔はシャンパーニュも赤だった 2005年5月28日

日本では赤のスパークリングワインと言ってもあまりなじみがないかもしれない。このところ世界市場ではときどき話題になることがあるワインだが、それでも大方は『スパークリングワインの赤? オーストラリア人じゃあるまいし。』といった見方が大勢かもしれない。

このスパークリングワインの赤、最近オーストラリアでは非常にポピュラーになってきていて、それにつれ海外市場でも注目を集めるようになっている。今では『何でもあり』のオーストラリアの特産として見られているが、実はスパークリングワインの赤の起源はシャンパーニュであったようだ。

Jancis Robinson(ジャンシス=ロビンソン)の『The Oxford Companion to Wine』によると、1600年代の中ごろは、シャンパーニュ(Champagne)は軽いピンク色のガスのないピノノワールで、当時は二次発酵によるガス入りワインは、ボトルが破裂してしまうので嫌われていたという。

当時イギリスのグラスメーカーは、Dom Perignon(ドン=ペリニヨン)のようなガス入りワインを実験的に造ろうとする先進的な試みに対してより頑丈なボトルを作ったが、1700年代を通してスパークリングのシャンパーニュが造られたのは毎年せいぜい2-3000本程度だった。それでもやはり多くのボトルは破裂し、破裂しなかったボトルもその地で造られるスティルワインより劣るワインだとみなされていたようである。

スパークリングのシャンパーニュが認められるようになったのは19世紀(1800年代)初頭のことであるが、では今から200年前のシャンパーニュは何色だったのか。

Andre Simon(アンドレ=シモン)の『History of Champagne』によれば、シャンパーニュがその当時人気が出るにつれ、ブルゴーニュでもスパークリングバーガンディ(sparkling Burgundy)が最初の年に15万本も造られ、その色は白からピンク、赤まであったが、濃い赤というのは珍しかったと記している。

その時分は、スパークリングバーガンディといえば一般にはスパークリングの赤のことを指していたようで、1880年代にオーストラリアにわたったフランス人がはじめに造ったスパークリングワインも赤であった。

現在ではスパークリングの赤といえばオーストラリアの特産と考えられているが、そのルーツはシャンパーニュやブルゴーニュにあったのである。





       

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